[設定チームの積もる話] 第6話 – ルア教と聖者

オルビス百科事典 第XXIX巻:ルア教と聖者

ルア教:

女神ルアに仕える宗教団体で、すべての生命の平和と調和を理想として追い求めている。誰によって、いつ始まった宗教なのかは定かでないが、オルベルリアがペンテオニアから独立する前から存在していたと推測されている。オルベルリアとペンテオニア両国ともに、ルア教を国教として指定していることからその痕跡をみつけることができる。ルア教の教庁はペンテオニアの首都に位置しており、オルベルリアの首都にも大司祭が派遣され、オルベルリアが独立した以来にその王権との友好関係を深めている。

(中略)

ルア教の司祭は、すべての種族の生命が女神ルアから授かったものと信じており、この思想を伝道するために行動している。彼らは神聖力を駆使して魔族はもちろん、殺意や悪意に満ちたモンスターを退治するための聖騎士団を結成および養成しているが、「武器を突き刺す前に対話と理解を試みる」ことを教理としている。

(中略)

ルア教の司祭は、神聖力を扱うことができ、これを利用して物質を再構築するのはもちろん、治癒と守護の能力も駆使することができる。神聖力を持つ存在のほとんどは人間であり、人間が神聖力を生まれ持つ場合が多い理由はいまだ明らかになっていない。(中略)
ルア教は、彼らの持つ神聖力が女神から授かった力だと信じており、この力を駆使して生命を守り、豊かにしなければならないと教えている。

天族:

四枚の白い翼を持ち、人間とは比べ物にならないほどの強力な神聖力を保持する存在。百年前の魔族戦争で魔族と空中戦を繰り広げる天族に関する目撃情報が残されており、該当記録はXXXページに記述されている。

(中略)

天族に関して、ルア教の聖書では次のように記述している。 […光輝をまとう刃と太陽を含む盾を持つ神の使いが、四枚の翼を羽ばたきながら天から降臨された。一人の司祭が畏れながら地面に頭をつけ、祈りを捧げながら曰く「聖なる形状よ、光からなる魂よ、畏れを込めて問う。われらが光、ルアであられるか」と尋ねると、神の使い曰く「人間よ、主の愛に恵まれたものたちよ、われらは主の翼、主の足、主の手である。世界を乱す邪悪な存在を目された主は、我らを地上に降臨させ、邪悪を滅ぼし主の力にもたれた者たちを救えと言われた…」

天族を実際に目撃したり、会話を交わした記録や証言がいくつか残されていることから、天族はエルフや獣人のようにこの世界に定着して生きてはいないものの、自由に行き来することができて、主にルアの命令を遂行したり、魔族を討伐するために行動していると推測される。また、一部の天族はルア教を人間とルアをつなぐ集団と判断し、自分の一部を分け与えたり、直接的に支援することもあったと伝えられている。オルベルリアの教団に代々受け継がれているロズメルタがその記録の一部である。

聖剣 エア:

ルア教での聖剣エアは、女神から授かった贈り物とされており、特にオルベルリアのルア教では、聖剣とその継承者を守護しなければならないという義務が代々受け継がれている。聖剣エアが世界樹に封印されて以来、聖剣に選ばれし戦士にまつわる啓示は途切れてしまったが、ルア教はオルベルリア王家と協力したり、内部の人員を派遣して頻繁に世界樹を偵察している。

(中略)

聖剣エアに選ばれた戦士カイルには、彼を支え、保護せよという啓示を授かった司祭がいたと伝えられている。彼女が聖竜オリカーナを率いることになってからは、「竜の聖女」、「光の聖女」、「光輝の聖女」、「名もなき聖女」などの様々な異名で呼ばれるようになったという。しかし、彼女の本当の名前や生死に関する記録はすべて消去されており、ルア教で光の聖女について語ることや、調査することは固く禁じられている。カイル王と「名もなき聖女」と共に冒険していた仲間たちも頑なに口をつぐんでいるため、当件に関するこれ以上の調査は不可能な状況である。

(中略)

ただし、聖女の記録が消えた原因が聖竜オリカーナの消滅と関連性があるという推測も存在しており、これらについてはオルビス大陸百科事典の第XI巻、カイル王と魔族戦争編で確認することができる。

聖人:

聖人、あるいは聖女とも呼ばれる者たち。残されている記録の中で最も知れ渡っている存在は「竜の聖女」であり、他にも奇跡の聖女イボンヌと神父エブリン、賛美の聖女、赤い毛皮の服の聖者ニコラスなど、多数の逸話が存在している。ルア教で正式な司祭として活動していた者もいるが、神聖力を扱うことができなかった者だったり、神聖力の使用記録が不確かな者がほとんどである。ルア教は、女神ルアから聖痕を授け、強力な神聖力を扱う者だけを「聖者」として認定しているが、他にも奇跡を起こし、平和のために働いた者たちを聖人/聖女と称することについては禁止していない。

(中略)

その他の聖人/聖女に関する逸話はXXXページに記述されている。

聖騎士団:

神聖力を扱う者たちの中で、治癒や加護ではなく戦闘を担当する集団。ペンテオニアのルア教に所属する聖騎士団は、光の結界を一生守護し、これに害をなす敵を滅ぼすことを天職としている。クムスラントが魔族に占領されてから、その場所の動向を探り監視する任務を並行している。ペンテオニアの聖騎士団は、神聖力だけでなく光の魔法も駆使することができ…

(中略)

オルベルリアにはオルベルリア教団所属の独自の聖騎士団が存在するが、彼らの目的は聖剣の戦士が現れた時、彼をサポートしながら人間を害する魔族を倒すことである。本来、聖騎士団の出征権限は教庁の最高権威者が持っているが、オルベルリアの教団に所属する聖騎士たちは、異例的にオルベルリア教団の大司祭が出征および聖騎士団長の任命権限を持っている。

聖者:

女神ルアから聖痕を授け、一般の司祭より遥かに強力な神聖力を保持する女神の啓示を体現する存在。今のところ聖者になる条件や原因についての記録は残されていない。ルア教の内部でもはっきりとした結論を出せず、未だ研究中であることが確認された。ただ強力な神聖力を駆使する一般司祭と聖者を区別する明らかな証拠は、「聖痕」と「聖物」、そして「記憶」である。

聖痕は様々な形で聖者の体に刻まれ、現れる位置や年齢も異なるため、標準を特定することは難しい状況である。途中に行方不明になった者や、生死不明で処理された者も多い。聖者は一般的に聖痕が刻まれてから7~8年程度で死亡することが確認された。 身体の寿命が減るわけではないが、聖痕とともに継承される前代聖者たちの記憶と感情を忍耐する過程で精神力の過剰消費が原因と推測されている。

(中略)

聖者たちの継承時期を正確に規定することはできないが、記憶をつぐ聖者は全員で4人存在すると記録されている。 [カウスト曰く「審判の聖者の光がつきた。次代の審判の日がいつ訪れるか知るすべもなく、女神は我らを見捨てたのだ」と泣き叫んだ。それに憤怒したピンカナ曰く「光がつきたのはそなたの信仰心だ。この旗が翻る限り、ルアの祝福が我らを救い守護し続けることを忘れるな」と彼を叱ると、ビシュランもそれに同意した]

記録によると、四人の聖者が一緒に行動する事は極めて稀で、彼らは各地を巡回しながら自身の力を平和のために使うことと、ルアからの啓示を遂行することを義務として認識している。また、彼らは互いの誕生と死を感知することができるが、他の聖者がどのような使命を持ち、どのような啓示を授かったかまでは分からないと推測される。

(中略)

聖者の聖物は、聖者の死​と共に回収されることが確認された。

著者:トブレ・バニビ

編集:トブレ・バニビ

協力:ルア教 定司祭ベガ、ペンテオニア 歴史研究所、オルベルリア 王室書記(匿名要請)

出版: 賢者の塔 歴史と文献研究所

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