[設定チームの積もる話] 第4話 – 賢者の塔

じゃじゃ~ん!皆様、こんにちは!
勇者の皆様に寄り添うパートナー、エステールが来ましたよ~!

今日は特別コーナーのために、設定チームからの依頼を受けて派遣されてきました。
あっ、その前に設定チームから必ず伝えてほしいと言われた伝言があります。
えーっと…(ごそごそ)あった!!

先日行われたストーリーアンケート調査にご協力いただき
本当にありがとうございました、と伝えてほしいとのことでした。
一番最後の質問項目に書いてくださった回答も全て読んだと太字で書いてありますね。
皆様からの関心や応援のおかげで、今日も一生懸命昼夜を問わず、
コーヒーとエナジードリンクをグビグビ流し込みながら仕事を…ってなんかおかしいな!?
ああ、訂正訂正!読み間違えました!

ふむふむ、話をもう一度戻して…私が今日準備したものは~
「仰天!この塔は一体!?」コーナーです!!
これは何かって?みんなが気になっているあの場所!「賢者の塔」のお話です!
私が一人で説明しても面白くないですよね?なので退屈にならないように、
賢者の塔の話をしてくださるスペシャルゲストをお招きしました!(ジャ~ン)

クレオ:やっと紹介してくれたの!?どんだけ待ったと思ってるのよ!
アイシャ:相変わらず品がないわね。
(紅茶をすすりながら)忍耐力が少しはついたかと思ったけど、私の勘違いだったようね?
クレオ:はぁ!?アンタこそ相変わらずムカつくわね!
さっきあくびしてたの全部見てたんだから!
アイシャ:わ、私がいつ!?
エステール:うわっ!お、お二人ともケンカしないでください!
せっかく皆様をお呼びしたのに~!
クレオ:そうね、じゃあ説明してよ!エステール、一体どういうことなの?
アイシャが来るなんて一言も言ってないじゃない!
てっきり私はエヴァンかジジイくらいしか来ないと思ってたのに!
エステール:それはドミニクス様はとてもお忙しい方なので仕方なかったんです!
アイシャ:そうよ。大賢者様が時間が有り余ってあなたのお世話でもしてくれると思ってたの?
クレオ:なんですって!?

ロイ:二人ともその辺にしておけ…おかげでまったく話が進まないだろ…
クレオ:ロイ、アンタ一体誰の味方なの?せっかく連れてきてあげたのに、私の味方もしないで!
ロイ:いや…大体なんで俺がここに…はぁ……
エヴァン:はははっ相変わらず元気だね~エステール、そのまま進めちゃうってのはどうだい?
このままじゃ朝になっても話は終わらないと思うよ?
プリシラ:同感です。お嬢様も一度カッとなってしまうと収拾がつかないので…(ため息)
お願いします、エステールさん。
エステール:あは、あはは…では待っていてくださった勇者の皆様のためにも、
「仰天!この塔は一体!?」コーナーを始めたいと思います!
進行は勇者様の頼もしいお供、このエステールにお任せください!

《Q.賢者の塔とはどんな場所ですか?どこにあるのか、
何をするところなのか知りたいです!》

エステール:おお、1番目からとても重要な質問が!
こういうお話はやっぱりエヴァン様が詳しいですよね?簡単に説明をお願いします!
エヴァン:どこから説明すればいいかな…
(後ろではクレオとアイシャが未だに言い合っているが、エヴァンは気にしていないみたいだ)
1番の特徴は空に浮かぶ島ということかな?魔導工学の技術を元にしていると聞いたよ。
エステール:わあ!魔導工学といえば魔導王国…
それでは賢者の塔は魔導王国時代からあったということですか?
エヴァン:それは違う。技術自体はグレイ公国から来たと聞いているよ。
元々グレイ公国は魔導王国から始まった国だから、結果的には似ているのかもしれないね…
政治的な取引や協力もあったそうだし。はっきりさせておいた方が良いからね。
ロイ:賢者の塔は政治的に完全に独立した場所じゃなかったんですか?
グレイ公国と関係があったとは…
(後ろでクレオがアイシャに向かってあっかんべーをしているが、
気にしていないみたいだ。いや、もう諦めているのかもしれない)
エヴァン:技術協力程度だったみたいだから、あまり知られていなくても無理はないよ。
公国と関係があったのはそれが最初で最後だったし。
国家として独立する計画があったのなら始めからそうしていただろうけど、
賢者の塔は各分野の技術と学問を研究することを目的としているんだ。
種族、身分、出身を問わずうまく共存できるように、
これからも独立体制を維持するんじゃないかな。
エステール:へへっ、そうです!
異世界から来た私に対しても、みんな暖かく迎え入れてくれましたから。
プリシラ:各国の権力者達と全く関係がないとは言えませんが、
確かに賢者の塔内の事案を各学派の長達が集まって一緒に決定している姿は、かなり印象的でした。
エステール:えっ、それは初めて知りました!
大賢者ドミニクス様が全ての決定権をもっているのではなかったのですね?
エヴァン:今現在、賢者の塔内で最も影響力を持つ人物であることは確かだけど、
独断で何かを決定することは難しいよ。何よりもドミニクス様がそうすることを望んでいないしね。
エステール:難しい話ですが、なんだかすごくかっこいいです!
賢者の塔では、みんなが平等だということですね!

《Q.あっ、ここでひとつ質問!では賢者の塔はなぜ
「島」ではなく、「塔」と呼ばれているのですか?》

アイシャ:今は空に浮かぶ島に、多くの都市が作られて多くの人が住むようになったけれど、
元はといえば島の中央にある賢者の塔がその始まりだからよ。
あの塔がこの島の中心部であり、最初に学者達が集まって研究を始めた場所だと聞いたわ。
エヴァン:おっ、ケンカはもう終わったの? 
アイシャ:ふんっ幼稚な言い合いに付き合ってあげただけよ。(クレオ:なんですって!?)
ここは国家ではなく、あくまでも賢者達が集まって知識を論じる場所。
だから未だに賢者の塔と呼ばれているのだと聞いたわ。
プリシラ:(アイシャのティーカップに紅茶を注ぎながら)島の中にある多くの都市や建物も、
塔に住んでいる方々のために作られたものだと聞きました。
住居、商業施設、教育施設など、島から降りなくても大抵のものは
備わっているという点は魅力的でしたね。
エステール:やはり、知れば知るほど素晴らしいです!
一生ここで暮らしたいという人もいるかもしれませんね!
ロイ:いないことはないだろうな。まぁ、ここ以外に行くところがない人達もいるから。

《Q.それでは賢者の塔には
どれだけ多くの「賢者」達が集まっているのですか?》

エヴァン:おお、これこそ本当に難しい質問だな…
プリシラ:そうですね。確かに…
ロイ:全部数えることはできないだろうな…
クレオ:もう、みんなどうして最初から諦めちゃうの?こんなに人が集まってるのに!
どれどれ~魔法、魔導工学、占術、錬金術…あと…その…鍛冶屋技術…
アイシャ:それは冶金術というのよ。
それ以外にも、料理、医学、裁縫術、建設や工芸専門家もいるし…
クレオ:あ、そうだ!!獣人族を研究する人もいるよね!
最近はシュッティ族を研究しているみたいだけど。
あ~!あの可愛いしっぽと耳!時々弓矢をしに来てるみたいだけど、また会いた~い!
アイシャ:関係のない話で私の話を遮らないでくれる?
クレオ:それ以外にも精霊術を研究する人もいるし、危険な魔導具ばかり研究する人や、
巻物だけを何十年も作っている人も見たし…
アイシャ:私の話を切らないでって言ってるでしょ!聞いてるの?

ロイ:また始まったよ。はあ…
エヴァン:まあ、とにかく!こうしていろんな分野の人たちが集まっているというわけだ。
エステール:私も賢者の塔の一員としてなにかやってみたいです!
えっと、だから…1番道案内が上手な人とか!
プリシラ:エステールさんならきっとうまくやれますよ。
何事も開拓次第だと、ドミニクス様もおっしゃっていましたから。

《Q.賢者の塔では「称号」を授けてくれるそうだけど!?》

エステール:これこれ!!個人的にも気になっていたことの一つです!
称号はその分野の最高権威者にだけ与えられるんですよね?
クレオ:そう!だからすっっごく不満なの!!
エステール:え?どうしてですか?
クレオ:私が!いまだに!「赤」の称号をもらえていないなんておかしいでしょ?
みんな私が「赤」だと思っているのに!こんなのおかしいわよ~!
アイシャ:どうしようもないわよ。称号は駄々をこねてもらえるものじゃないでしょう?
悔しいなら授業でもしっかり受ければよかったんじゃない?
クレオ:なによ!アンタはなにか努力でもしたの!?魔力量以外じゃ私より魔法も使えないくせに!
アイシャ:な、なんですって!?少なくとも私はあなたみたいに無差別に魔法を放ったりはしないわ!!
エステール:ああ…皆さん、お願いですから落ち着いてください…まったく話が進められない…
ロイ:そういえば「青」の称号を授かった者は来てないんだな。
賢者の塔を嫌っているという噂は聞いたが、まさかそのせいで来なかったのか?
エステール:そうですう…招待状の返事も来なかったので、一度直接会いに行ったのですが…
エヴァン:見るまでもなく「賢者の塔なんかもううんざりだ!!
依頼を断らないだけありがたいと思え!」とでも言っていたんだろう。
称号をもらうと依頼や研究要請がものすごくたくさん来るんだ。
1、2件くらいは適当に片付けているようだけど、
賢者の塔ってだけで嫌がる青がうんざりするのも分かるよ。
エステール:うう…それでも私にはよく分かりません。
称号はその名の通り、最上級の方に与えられるものじゃないですか。
なんでそんなに賢者の塔を嫌うのでしょう?
ロイ:この前ちらっと耳にした話では…
称号は功労を認めるためだけに与えられるのではなく、監視をする目的もあると聞いたぞ。
エヴァン:その分野でずば抜けているということは、その分危ない存在だという意味にもなるから。
青がその代表的な例ってことさ。クレオが欲しがるほど名誉あることばかりではないはずだよ。
エステール:うう…すごく重い話になってしまっていますが…
プリシラ:それでも誰もが一度くらいは欲しいと思ったことがあると思います。
確か私の記憶では、お嬢様が授かった「紫」は最も魔力量の多い者に与えられる称号、
「青」は詠唱いらずの魔法を使うことができる者に与えられる称号だったはず…
ロイ:エヴァンが授かった「緑」は最も優れた研究者に与えられる称号だったよな。
それ以外にもあと4つあったと思うんだが。
エステール:そうです!残りの称号を授かった方々も気になるのですが、
なかなか見つけることが出来ないのです。シュン…
エヴァンさんは何か知っていることはありませんか?
エヴァン:ああ、そうだな…
エステール:(ドキドキドキドキ)
エヴァン:諸事情により教えられない!(にっこり)
ロイ:諸事情ね…
プリシラ:諸事情ですか…
エステール:こんな風にかわされてしまうなんて!私、期待してたんですよ~!
エヴァン:代わりと言ってはなんだけど、ひとつだけ教えてあげられるのは、
称号は一人につき一つずつ与えられるわけではないということ、かな?
例えば研究で最高の成果を出した人が魔力量の最も多い人だったら、
「緑」と「紫」の称号を同時に与えられることもあるんだ。
クレオ:なによ、それって数百年に一度あるかないかの話じゃないの?
今は称号を授かった人もいなくて空席になっている場合もあるじゃない。
「最高」の権威者に与えられるものだから、最高じゃなければ
誰も受け取ることができないっていうことでもあるんだから。
ロイ:クレオ…そんな賢いことも言えるんだな…口喧嘩すると頭の回転が速くなるタイプだったのか?
クレオ:ロイ、アンタ本当に誰の味方なのよ!!(メラメラ…)
プリシラ:ちょっと、クレオさん。ここで火炎魔法を使われてしまっては…お嬢様、避けてください!
アイシャ:キャッ!こうなると思ってたわよ!

エステール:ああぁ~せっかく準備した質問ノートが全部燃えています!
エヴァンさん、早く最後の質問!称号を授かると良いこともあるのですか!?
エヴァン:研究費と依頼料をたっぷりもらえること!
おかげで毎回心置きなく研究することができ…うわぁっ!クレオ!なんで僕まで燃やすんだよ!!
クレオ:もうこれ以上我慢できない!!全部真っ黒焦げに燃やしちゃうんだ~!

~その後のインタビューは、クレオの炎によってエステールの質問ノートが
全て消滅してしまったため、進行することができませんでした~

エステール:一緒にインタビューを進行してくださった賢者の塔の皆様、
ありがとうございました!あぁっ!まだ燃えていますっ!

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