[GMノート] 蹲る災悪「グレモリー」開発ビハインドストーリー(※11/17(火)18:06頃、修正)



Part 1. 設定
[太初の五魔族の一員、グレモリー]

キングスレイドのストーリーをずっと見てきた方は「太初の五魔族」という存在たちが、しばしば語られていたことをご存じかと思います。 第10章でテオのエピソードを進めるにつれ、シャミーラとルシキエルの他にも新たな太初の五魔族を登場させる必要がありました。その必要性により、企画と設定の粋を集めて誕生したのがグレモリーです。
グレモリーの話をする前に、まずは太初の五魔族について簡単に説明する必要がありますね。
太初の魔族は魔族の中でも女神レアと最も近い存在であり、女神と直接コミュニケーションできる能力を持っています。コミュニケーションといってもレアからの一方的な啓示くらいのものですが、それでも女神と疎通できるという事実は太初の魔族が特別な存在であることを示しています。
太初の五魔族はそれぞれの目的と志がまったく異なります。活動の理由も「欲求を解消するため」、「理想的な計画を実現するため」などに分かれていて、互いの生き方に大きく関与することも、関心を持つこともありません。そんな太初の五魔族の中でもグレモリーは長女という設定を持っています。兄弟とはいっても便宜上そう呼ばれているだけで、互いに兄弟だという認識はほぼありません。それでも長女の立場のせいか、他の兄弟たちよりもレアとの接点を持っています。もちろん、接点があるということが間が良いという意味ではありません。 (´∇`)
キングスレイドのストーリーで多数の魔族が登場したものの、魔族という種族が正確にどんな種族なのかはいまだ謎に包まれています。そこで、気になる勇者の皆様のために、魔族がどんな存在なのか推理できる情報をグレモリーの図鑑を通して公開する予定です。

[コンセプト:怠惰、怠惰、そして怠惰]
第10章で初登場したグレモリーは、その印象から感じられるように怠惰をメインコンセプトとして活用しています。彼女はすべてを面倒くさいと思っており、ふわふわで暖かい布団の中で怠けるのが大好きです。他のキャラクターたちとは違って、上記のコンセプトである「怠惰」だけで迷いなく設定が完成できたくらいに、非常に明確なコンセプトのキャラクターでした。
もしグレモリーが私たちと同じ現実世界に生きていたとしたら、一晩中アニメやおもしろい動画をみて昼過ぎになってからやっと起きていたはずです。電気を消すことも面倒くさくて「ルシ!!」と大声で叫んだ後、駆けつけてきたルシキエルに「電気消して~」って何気なく言うほど、弟にこきを使う姉のような姿だったでしょう。少しだるそうで可愛い少女の外見で、中身は疲れ切った会社員だったり、大家族の長女だったりなどのギャップのある設定で、見た目だけでは判断しきれない魅力を持ったキャラクターに仕上げたいと思いました。
しかし、太初の五魔族としての本当の姿は今の可愛い少女の姿とはまったく異なるものです。物質世界でのグレモリーの本来の姿は巨大な獣の形状であり、恐ろしい外見はもちろん、弱者たちには災害そのもののような存在です。「本来のグレモリーとルシキエルが戦ったら、ルシキエルが満足するに違いない」ほどの強さを持っています。企画段階で想像していた見た目は、日本の妖怪「毛羽毛現」のような白くてモフモフした怪物の姿でしたが、今後どのような姿で登場することになるかはこれからのアップデートを通じて確認してください!
可愛い少女と巨大な獣、両方の姿を持つ怠けものグレモリーが、これからの物語ではどのような意図で動くことになるのか、どのような姿を見せてくれるのかをぜひ期待してください。

Part 2. アート
[グレモリーのデザインキーワード:単純で複雑な、複雑で単純な矛盾している二面性]

グレモリーのコンセプトは明確です。(どれも似たような意味ですが…)怠ける、さぼる、そして怠惰に定義できます。表面的なコンセプト自体は一見シンプルにも見えますが、詳しく見てみると、単純なようで複雑な、複雑なようで単純な二面性が共存するキャラクターです。可愛さと色気、怠惰さと素早さ、柔らかさと強烈さをすべて兼ね備えたキャラクターだと思います。
コンセプト企画を初めて目にした時に浮かんだイメージは「周りの視線を気にせず、鼻をほじっている可愛い女の子」の姿で、当時の感覚をラフに描写してみました。


このようなイメージをもとに、グレモリーをめぐるストーリーや背景などをより自然に表現できる方法を悩みながら、原画作業を準備しました。

まず、すべてを面倒くさいと思い「興味のないものには関心すら持たないキャラクターはどんな行動をするのか?」を想像しながら、グレモリーのイメージを具体的に悩み始めました。当時の私がノートに書いていた内容をこっそり公開しますと、
– 周りを意識せず、自分の欲望に忠実
– 食べることさえ面倒くさくてスレンダーな体型
– ぱっちり目を開けるのも面倒くさがる
– いつもぼんやりした顔で髪の毛がクルクルに巻れている癖をイメージして、髪先が巻かれているヘアスタイル
上記のように少しずつ詳細な設定を整えながら、デザインコンセプトを考え始めました。そこで重要な要素として取り入れたのが、キャラクターの性格が衣装を通じて自然に表現されることでした。
– 眠くなったらいつでもどこでも寝られるよう寝袋に変形できる衣装
– 不思議な雰囲気のキャラクターを作るためにシンプルで反復的なパターンを使用
これにより、単純で複雑な、複雑で単純なキャラクターを表現
このような内容を先に悩みながらコンセプトを整え、これらを反映したデザインの原画作業を開始しました。




フードをかぶっている「おやすみモード」は、上記の過程で誕生したいたずらのようなコンセプトでした。しかし、グレモリーの原画を見た他の担当者たちから、ぜひ公式設定として反映してほしいという意見をいただくことになり、追加の作業で顔だけ出している姿でゲーム内にも反映されることになりました。
グレモリーの原画は、最初に製作した原画がそのまま最終原画として決定された珍しい事例です。設定チームの明確なコンセプトとデザインの制作過程で行われた多くの悩みと議論が、良い結果を導きだせたと思います。

グレモリーの原画にはキャラクターのほか、召喚される魔獣たちのデザインも必要でした。魔獣たちにはグレモリーの可愛さと正反対な奇怪さを込めようとしており、その奇怪さの中から「グレモリーらしさ」を勇者の皆様が見つけられるようデザインしています。では完成されたグレモリーの魔獣たちをこっそり公開します。


[グレモリーのイラスト]
イラスト作業を開始する前、すでにグレモリーのポーズは決めていた状態でした。獲得演出の最後のシーンに登場するポーズをそのまま活用できたからです。それにより原画作業の際には、キャラクターと武器、そして召喚魔獣の3要素を適切に配置する作業を中心に進めています。
キャラクターの細部ポーズでは、スカートをはいているにも関わらず無防備に足を開いているポーズと、いつものダルそうで他人を見くびるような表情を活用してグレモリーの性格を表そうとしています。しかし、グレモリーが召喚する魔獣たちの表現にはかなり手間がかかりました。ゲーム内に登場する魔獣たちのサイズが私の予想よりあまりにも大きかったからです。プチ(口が大きい魔獣)の大きさがグレモリーよりも大きくなってしまい「これ…どうやったらイラストにできるの?」という心配もしましたね。(;´д`)
悩みの果てに、キャラクターのイラストで召喚魔獣がキャラクターよりも大きく表現され、キャラクターが目立たなくなるのは望ましくないと判断しました。結局のところ魔獣たちは、背景のように表現され遠近法を言い訳に小さくイラスト化しています。


三つの原画の中で召喚魔獣が適切なサイズで配置され、キューブから不思議な光が漏れ放たれる効果により、ダイナミックに表現された真ん中の原画を最終原画としてイラスト作業を進めることになりました。では、最終イラストも見てみましょう!

魔獣たちを小さな背景のように表現したことは少し気がかりでしたが、あまりにも強烈なビジュアルを持っていただけに充分な存在感を放っているようで幸いでした。そして、グレモリーがメインとして目立つようで個人的にも満足しています。

[グレモリーの3Dモデリング]
グレモリーはクールな怠け魔族です。そして、幼い外見の魔族ということも珍しい特徴になりますね。初めて原画を見た時、面倒くさそうに半分ぐらい閉じた目とすねているような可愛い唇、そしてスカートをはいてないと少年に思えるほどのボーイッシュな魅力が印象的でした。

このようなコンセプトをふんだんに活かすべく、幼げで可愛い外見の中で面倒くささが思いっきり感じられるよう念入りにデザインしています。特に顔のデザインでは、グレモリーが少年なのか、少女なのか見分けがつかないほどに中性的な魅力が感じられるよう手間をかけています。余談ですが、もしグレモリーがショートパンツをはいていたとしたら、どっちの性別なのかを当てる面白さが増えていたかもしれませんね。 (`▽´)

グレモリーの衣装はかなりユニークです。機能的にはジップアップのフードですが、ファスナーが開いている状態では裏地が表に出されているひっくり返した状態になります。そして、小柄でスレンダーなグレモリーの体型に比べてサイズが大きすぎるデザインでもあります。

もう一度言います。この衣装はジップアップのフードです!当然フードとしてかぶることも、ファスナーを閉めることもできなくてはなりません。フードをかぶった姿はモーション作業で表現することもできましたが、より自然な姿を演出するためにフードバージョン(仮)のモデリングを新たに制作しています。

これがフードバージョン(仮)です。ファスナーを完全に閉めた時に登場する絵は、グレモリーが描いた絵ですから下手な感じで表現してほしいという設定チームからの要請がありました。だから私の持てるすべての技術を込めて、おおまかに、おおざっぱに、不細工に描いてみました…!やっぱりグレモリーの不思議な魅力はフードをかぶっている時に真価を発揮すると思います。
今までのキングスレイドにはない不思議な雰囲気を持つグレモリーのモデリング作業には、衣装の表と裏の素材を両面とも活用しており、フードバージョン(仮)の追加制作などで他のキャラクターたちより作業量が多い方でした。ですが、あまりにも魅力的で個性あふれるデザインだった分、本当に楽しい作業だったと思っています。

[グレモリーのアニメーション(モーション)]
グレモリーの原画を初めて拝見した時、あまりにも好みのキャラクターでしたので、私から志願してグレモリーのモーション作業を担当することになりました。グレモリーのモーションは、怠けの塊のようなコンセプトを限界まで盛り込んだ姿で表現しています。一般的に怠惰な性格と言えば、あまり動かない姿を思い浮かべられますが、戦闘モーションでキャラクターが動かないと視覚的な面白さが減ってしまうという問題があります。そのため全体的な動きはアクティブに表現したものの、ポーズからは面倒くささが感じられるように作業しています。代わりに戦闘以外のモーションでは、性格がそのまま表れるようなモーションで表現しました。

戦闘モーションをデザインしながら最も難しかった部分は、武器がキューブであることとその武器から3種類の魔獣たちが召喚されるということでした。剣や槍、そして銃などの一般的な武器とはまったく異なる装備を武器として使用する分、一般的ではないモーションを与える必要があったからです。創作の苦しみの中で「キューブを使用した戦闘モーション」を制作するのはもちろん、各スキルのモーションが重複しないよう気を使う必要がありました。そして何よりもスキルごとに異なる魔獣が召喚されるため、恐ろしいほどの作業量を処理しなければなりませんでした。ですが、モーション作業を完遂してエフェクト効果まで適用されたグレモリーを観た時、これまでの苦労が無駄ではなかったと確信できたほど、その美しさに幸せで満たされました。(感動… T ^ T)



そしてグレモリーは、世界を滅亡させた「太初の五魔族」の一人だという設定を持っている分、死亡モーションが他の英雄たちみたいにただ倒れるだけというのはその威勢に釣り合わないと思い、次元ゲートを利用して「面倒くさい状況を避ける」というコンセプトで製作しました。


グレモリーのモデリングデザインは、普通バージョンとフードバージョンが別々に存在しているため「フードのファスナーを閉めるモーション」は構造上の限界により実装することができませんでした。コンセプト原画にも掲載されたくらい、グレモリーの性格をうまく表現している姿を自然に具現できないというのは非常に惜しいと思いました。担当者たちとのさまざまな議論の末、すべてのモーションは表現できなくともフードバージョンから顔だけちょこっと出している姿を追加しようという意見を反映し、モデリングをさらに修正して新しいバージョンを誕生させました!

グレモリーというキャラクターを非常にうまく表現していると思います。ほんと、これだけ可愛いのは反則じゃないですか?

最後にグレモリーの獲得演出は、彼女と魔獣たちがコミュニケーションをとる大事なシーンであるため、互いに感覚を共有しているような自然な雰囲気の演出で表現しようと努力しています。また、超越演出のモーションでは彼女の性格を表すことを中心に作業しています。この演出を通じて、寝ているグレモリーをジャマするとどうなるか確認することができます。(°д°)

[グレモリーのエフェクト]
どんなキャラクターであれ作業の開始段階では、方向性とコンセプト、そして色や特徴などのさまざまな要素を構想する際に多くの悩みとプレッシャーがありますが、グレモリーは特にそうでした。既存のキャラクターとは明確に違う雰囲気を持っていましたからね。怠惰という個性的なコンセプト、独特な武器、そして「召喚」というユニークな戦闘方式にいたるまで何一つ平凡ではありませんでした。作業開始の段階から「マジ…どうしよう」という悩みとともに、方向性とコンセプトを確定するだけで結構な手間がかかりました。キューブの動きから魔獣たちの召喚と消滅などのモーションに合わせて調整すべき部分があまりにも多かったことと、勇者の皆様からのグレモリーに対する期待が大きかったことも重なって緊張感あふれる作業が開始されました。

エフェクトのメインカラーにはグレモリーの衣装と髪の毛、そして瞳に適用されているカラーを使用しています。また、魔族という種族特性をコンセプトとして活用し、少し怖くて不気味な感じで表現することもできましたが、グレモリーの不思議な性格と可愛い外見にも調和できるよう、奇怪ながらも怖くはない雰囲気で演出してみました。そして、単なる不気味さや恐怖ではない多彩なイメージとキャラクター性を感じられるよう、高い彩度のネオンカラーを使用しています。


一方、キューブの内側の表現には外の世界とは別の空間であることを強調するため、エフェクトにも青系のカラーを使用してはっきり見分けがつくように表現しています。これらを通じて、空虚さ、異質な空間、魔獣の召喚ゲートなどのイメージを表そうとしています。
そして、召喚魔獣の外見と特徴、攻撃モーションが個体ごとに異なるため、エフェクトも各個体の特徴に合わせて適用することにより、別のスキルであることが認識できるようデザインしています。もちろん「グレモリーが召喚した魔獣」という大きな枠組みから外れないようグレモリーとの色合いにも気を使っています。

[グレモリーの専用武器:煉獄を仄めかす扉 ピグリティア]
魔族は物質世界に移動する時、その強さと性質に合わせて魔界での姿とは異なる新たな形態に変化されます。グレモリーは魔界での本来の姿があまりにも巨大だったせいで、どんなに体を小さく減らしても物質世界の山一つは軽く超えるサイズになってしまいました。動くのが大嫌いな性格のグレモリーだけに、動くたびに沢山の力と努力、そして心の準備を必要とする巨大な本体を魔界に残したまま、いつも自身の小さな欠片だけを物質世界に送り込んで活動していました。そこで、魔界と物質世界をつなぐ通路が必要となり、本体の腹の中と物質世界をつなぐゲートを使うことになります。そのゲートこそがグレモリーが使用するキューブの形をした扉「ピグリティア」です。
このような背景を持つ武器だけに、デザインの段階から異空間をつなぐゲートとしての特性が浮き彫りになるよう、平常時の閉まっている部分を扉のように、そして戦闘時の開かれた部分を異空間のように表現しています。


メインキューブの真ん中にはベルトが×形状に交差するデザインを適用してゲートの入り口が連想されるように表現しており、周辺のキューブをドアが解除するための装置のように表現するなど、視覚的な面白さを重視して作業を進めました。キューブの内側は、異空間に入ったときの不安定さを視覚的に表現するために、各面が自然につながる反復パターンを適用しました


Part 3. 企画
[グレモリーの戦闘]

グレモリーは魔法属性のアサシンクラスの英雄です。そして、アサシンクラスの中では極めて珍しい遠距離攻撃をする英雄でもあります!
キューブを武器として活用し、さまざまな魔獣たちを召喚して戦う戦闘方式を採用しています。グレモリーが召喚する魔獣たちは敵に強力なダメージを与えるのはもちろん、敵の陣形を崩壊させたり、デバフ効果を与えるなどのさまざまな効果を保持しています。
(※11/17(火)18:06頃、修正)


Part 4. 終わりに
グレモリーはキングスレイドのどんなキャラクターよりもコンセプトが明確なキャラクターだと思います。怠惰という明確なコンセプトを中心に細かい設定を付け加えて完成したキャラクターだけに、設定の企画はもちろん、コンセプトを視覚化する原画とモデリング作業もスムーズに行われました。もちろん、二つのバージョンのモデリングや召喚魔獣たちのモーション制作などにより、作業量は恐ろしいほどのボリュームを持っていましたが、苦労した甲斐があったと思えるほど素晴らしい出来で完成されたキャラクターだと思います。
他のキャラクターたちよりも楽しく作業できたグレモリーだけに、われわれ開発担当者たちも愛情をたっぷり込めています。私たちの思いが勇者の皆様にも伝わって、グレモリーがもっともっと愛される英雄になれたらと思います。

ありがとうございます。

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