[GMノート] 混沌の牧者「イザヤ」開発ビハインドストーリー

こんにちは!
愛で育てるRPGキングスレイドのGMリリアです。

最終章アップデートのお知らせと共に先立って公開された「太初の五魔族」のうちの1人である、イザヤがついに勇者の皆様にお披露目されることとなりました。
高潔な聖女のようであるが、その雰囲気はどこか妖しいイザヤの開発ビハインドを読み解いてみましょう!


Part.1 設定
「4番目の太初の五魔族、イザヤの登場」

イザヤについての基本的な設定は、かなり前から企画されていました。しかし、イザヤを含め、太初の五魔族のキャラクターは世界観に占める割合が大きいため、「どのタイミングで登場させれば、キャラクターの魅力を最大限に引き出すことができるのか」について深く悩みました。登場させるのに最も良いタイミングを探っていたのです。

最終章は、魔導王国のストーリーが終わった後のペンテオニアを背景にして物語が進んでいきます。また、魔王軍が登場するため、これを代弁する魔族側の視点、そして、持続的に活動することのできるキャラクターが必要でした。当初は新規キャラクターを登場させずに、既存の魔族キャラクターを使ってストーリーを繋げようとしました。ですが、既存の太初の魔族たちは個人の自我がはっきりしておりレアに忠実なキャラクターがいなかったため、レアの意志を伝えるためのキャラクターがいませんでした。さらに、今回の章に登場するのは魔族ではなくレアの意志に従う「魔王軍」であるため、ただの魔族キャラクターではストーリーをひも解くことができないと判断しました。そのため、レアに忠実であり、レアの意志を積極的に伝えてくれる存在、「イザヤ」が登場することになったのです。

「異端の聖女、レアに忠実な信者、慈悲深さ」
イザヤは「異端の聖女」、「牧者」というキーワードに合わせて企画されました。魔族であるにも関わらず、人間に混じっては暖かい陽射しの下で人間の子どもたちに囲まれて本を読み聞かせることを好む、慈愛と善行を施すような柔らかいイメージを持っています。しかし、イザヤが読み聞かせている本は「レアの教え」に関する本であり、自然を装い巧みに近づいて好感を与えるような、特定の宗教が自身の宗教の教えを説く時に使う方法をイザヤもよく使っているのです。
※レアの教えは「循環」という規則のもと、創造の順番が終わったため、これからは混沌と破壊が訪れなければならないという内容であり、レアが求めているものは滞っている循環を再び動かすことです。

イザヤは、純粋な善意や慈悲深さ、善行により、ルアの創造物に死を与えます。一般的な人間からすれば、歪んでいて狂気に満ちたおかしな話であり、ルア教が主な宗教である物質世界では、インチキ宗教のようなものに見えるでしょう。ですが、レアの教えだけが世界の真理であり、それに従うことだけが本当の幸せ、そして救いであると信じているイザヤは、強力な訴えによりルアが救うことのできない者までをも救おうとします。イザヤは、自身の行動を悪行だとは思っていません。人間たちに教えを説くことも、最後に死を与えることも、人間たちを救うことのできる神の代理人ならば当然やるべきことであると考えているため、喜んで行っているのです。

「堕落した聖女?/太初の五魔族が持つそれぞれのテーマとは?
イザヤのイラストが公開された後、多くの勇者の皆様がイザヤについて大きな関心を寄せてくださいました。そのなかで、イザヤと太初の五魔族の設定についての質問がいくつかあったので、少し解説させていただきます。いらない話になるかもしれないので、読み飛ばしてしまってもいいのですが…イザヤというキャラクターについての追加説明として読んでいただければ幸いです。:)

「太初の五魔族は、それぞれ意味のあるテーマを持っているようですが、イザヤはどのようなテーマを持っているのでしょうか?」
やはり「魔族」は「悪魔」を連想させるかと思います。そして、人数が決まっていれば、「七つの大罪」といった設定が思い浮かびます。太初の五魔族もまた、このプロセスを意図した設定であるため、各々のテーマが決まっていますが、彼らは「七つの大罪」のようにある程度明確なものではなく、大まかな意味を持っています。今の段階では、太初の五魔族全員の各テーマを詳しくお話することはできません。まだ公開していない太初の五魔族が一人残っているからです。
しかし、今回の主人公であるイザヤは、主に「慈愛」を担っています。

「フレイやマリアのような、堕落した聖女コンセプトと被っているのでは?」
イザヤは「堕落」という要素自体がありません。魔族として生まれたから「堕落」と関係がないというわけではありません。フレイやマリアとは違って「自身が元々進んでいた正しい道」から外れたことがないため、そもそも堕落したことがないということです。叙事的に比較すると、フレイとマリアは苦しみを経験し、それを乗り越える方法として堕落という道を選ぶことになりました。堕落によって変化した信念を噴出させ、堕落によって新しい方向性を探し出したということです。

その反面、イザヤの信念はイザヤが元々持っていた信念そのものであり、イザヤ自体の気質は善意に近いのです。イザヤの善意の基準が人間の基準と大きく異なるだけで、レアの教えを説く異端の立場からみれば、イザヤは正しい道を歩んでいる聖女なのです。理解しやすくするために「異端の聖女」というキーワードで説明しましたが、イザヤの立場からすれば自身の宗教が正統であり、ルア教こそが異端者たちなのです。もしイザヤが堕落したとしたら、ルアの思想に近づき、世界の循環を拒むようになるでしょう。

Part 2.アート
「イザヤのデザインキーワード:淑やか、貞潔、そして妖しい」

設定企画書を初めて見た時、イザヤは裏表があるような、対照のイメージが似合いそうだという印象を持ちました。


これを際立たせるため、正装をベースにした短いスカートと鋭い装飾、そしてホワイト&ブラックの色合いを組み合わせた多くの試案が考案されました。ですが、イザヤはキングスレイドの世界観のなかで常識だと思っていたものが非常識に、非常識だと思っていたものが常識になるようなキャラクターであるため、単に表と裏が違ったり、対照になっているという要素だけではキャラクター性に欠けると思われました。

貞潔なデザインである4番目の試案をベースに髪型などの細かいデザインを決めていきましたが、これよりもさらに聖女らしい淑やかなイメージを引き立たせ、異端や魔族であるということを最大限目立たなくさせることを重点的にしたほうがいいという意見に共感し、鋭い装飾を外して、ホワイトに近いカラーを配色させ、長いスカートと露出を最大限抑えたデザインに決定しました。


そうして何度も修正を重ねた結果、現在のイザヤの原画が制作されたのです。はじめは単に裏表のあるキャラクター程度に理解していましたが、魔族とレアの視点から世界を見ている存在として、正反対の常識を持つキャラクターというものを表現するためには、数多くの苦悩を経なければなりませんでした。
それとは打って変わり、イザヤの武器は思ったよりも簡単に決まりました。武器のデザイン候補にはレイピアとソードスティックがありましたが、イザヤは物質世界のあちこちを回りながら教えを説き、その意志を継ぐことができるだけの武器が必要でした。ですが、人々に警戒心を持たせてしまう武器は相応しくないと考えたのです。


この2つの目的を果たすため、見た目は旅人たちの辛い旅路を支えてくれる杖ですが、中にはいつも鋭い刃が隠されているソードスティックを武器にすることに決定しました。一見慈悲深く人々を助け、救いの道へと導いてくれているかのように見えますが、実はその慈悲深さの裏には死が待っているというイザヤのキャラクター性が垣間見えるような、イザヤにぴったりの武器ではないかと思います。全体的な色合いはホワイトとゴールドをベースにしたコンセプトで淑やかなイメージを与えておきながら、刀身はイザヤのポイントカラーである薄紫色と鮮やかなブルーのグラデーションにして、異質的な雰囲気をポイントに仕上げました。

「イザヤのイラスト」
イザヤのイラスト制作も、多くの苦悩の末にコンセプトを完成させました。

信心深い聖女の姿に重点を置くのか、魔族らしい暗い雰囲気に重点を置くのかについて悩みながら下書きを描いていたのですが、淑やかの中の妖しさ(?)や、異端の邪悪な魔族であること、そして腹黒い(イザヤにとっては正しいが)性格を覗かせるため、積み重なった骸骨の上に座り、レアに祈りを捧げている宗教的なイメージを採用することになりました。また、正面を向いていると妖しい雰囲気があまり感じられないような気がして少し角度をつけたところ、流し目で他人を見下しているような視線、そして、あざ笑うかのような微笑みが魅力的な現在のイラストは、太初の五魔族であるイザヤを表現するのに申し分のない出来になったのではないかと思います。

こうしてイザヤは本当に多くの苦悩と、数多くの修正を経て誕生したキャラクターでした。しかし、苦悩があったからこそ、その分大きな魅力を見せてくれるキャラクターだと思います。
番外編として、イザヤの原画が当初公開された際、魔族のアイデンティティである角と翼、尻尾がないことに疑問を抱く勇者の皆様もいらっしゃいました。ですが、イザヤは人々を安心させる雰囲気を醸し出して好感を持たせて人々に混じり、布教をするようなキャラクターであるため、人々が警戒するような魔族の特徴が見えてはいけないと思い、そのような特徴を取り除いた状態のデザインになりました。ですが、切り取ってしまったわけではなく隠しているだけなので、いつでも魔族らしい姿を見せることができます。
完全に魔族の姿をしたイザヤも一緒にお見せしたいのですが…それは順を追って少しずつお見せすることにします。:)

「イザヤの3Dモデリング」
イザヤの場合、全体的な色合いと雰囲気がまとまっていたため、クオリティの高い作業をすることができました。キャラクターのポイントとなる部分をしっかり活かせるように時間をかけて制作しました。

衣装のなかで1番のポイントとなる部分は、服の素材です。ベールをはじめとする全体的な衣装がレイヤリングされている部分が多いため、重すぎず軽すぎず、なおかつあまりひらひらしない、滑らかなシルクテンセル素材に見えるように最大限表現しました。また、胸を包み込んでいる布が少し開いているようなデザインにしたこともチャームポイントの1つです。

レアに仕えていないすべての生命体を見下し、哀れに思っているような少し垂れた目と、「それでもまだ更生できる」というように、正しい思想を広めようと微笑みかけている少し上がった口角がチャームポイントであると考え、この雰囲気を表現するために力を尽くしました。柔らかすぎる雰囲気にしても、異質的すぎる雰囲気にしても不自然なため、目元と口元は特に細かく修正しました。

また、モデリング作業中1番難しかった部分は髪型でした。軽く髪がなびいているわけではなく、まとまった髪が絡み合っているような雰囲気を持っているため、最大限その雰囲気を活かそうとしました。
まとまった髪の雰囲気を活かそうとすると動きが鈍くなったり重くなったりしてしまうため、大まかなまとまりごとに分量を分ける作業にかなり苦戦しました。

「イザヤのスキルモーション(アニメーション)およびエフェクト」
イザヤのスキルと獲得/超越映像のモーションおよびエフェクト作成には、本当にたくさんの製作者の方々が持続的にアイデアを出し合い、長時間の会議を行いました。まず、「聖女」らしい優雅な動きをベースに多数のモーション作業を行い、それに合うエフェクトを追加しました。

しかし、イザヤはレアの意志に従う太初の五魔族でもあるので、哀れな物質世界の魂たちを救うためにレアの教えを記した教典を読み、自らの犠牲と献身で刃に自分の血を染み込ませて、レアが下してくれた権能を一時解放するという形の戦闘方式も構成しました。

そのコンセプトがよく現れたスキルがスキル3です。自らを犠牲にして敵を攻撃するのですが、犠牲を負う場面をモーションとエフェクトを使い、破格的で衝撃を与えられるようなものにしたかったため、多くの議論を交した結果、次のような作品が完成しました。

モーション/エフェクトコンセプト企画当初は刀で自分を傷つけたり、首を絞めるなどの暗い雰囲気を持つさまざまなアイデアが出ました。イザヤの体から大小の棘が飛び出す場面を少し粘り気のある表現にしたりして、自己犠牲的な面をお見せできる機会でしたが、それは「あまりにも刺激的で残忍だ」という意見により、残念ながらこれよりも刺激的なモーションとエフェクトを追加することはできませんでした。(本当に残念です。^^;;)

反対にイザヤにとって死とは幸せそのものであり、神聖な行為であるということを強調させるため、獲得/超越映像では「死」を通じて彼女のギャップが垣間見える姿をお見せしようとしました。うっとりとレアに魂を捧げる異質的な彼女の行動を見れば、イザヤが太初の五魔族だということを忘れることはないでしょう。

イザヤのモーションとエフェクトは、全体的に神聖な光のような雰囲気を醸し出していますが、実際は暗黒の力を使う、光と闇が共存しているコンセプトなので、適度な線で作業するのが大変だったことを覚えています。そして比較的理解しやすいストーリーを持っているキャラクターではなく、聖女だけど一般的ではない彼女の死に対する犠牲的な行動を、どうやって立体的な姿で表現するかについて本当にたくさん悩みました。このように多くの苦悩の末に誕生したキャラクターなので、その結果としてゲームにも上手く表現されていたらいいなと思います。

Part 3.企画
「イザヤの戦闘」

イザヤは魔法属性のプリースト英雄です。
自分を基準に、味方にはバフとHP回復を、敵にはデバフとダメージを与えるスキルを中心に構成しており、「堕落 フレイ」と同じく物理/魔法の2つの属性を有効に活用することができるように計画中です。
また、全体的なコンテンツで活躍できて、キャラクターの使用方法によってPVPコンテンツにも使いやすいようにバランスを調整していますが、開発および実装過程で多少変更される場合もございますので予めご了承ください。

Part 4.おわりに

先にお話したように、イザヤは太初の五魔族のなかで唯一と言ってもいいほどレアに対する忠誠心の高いキャラクターです。レアを信仰し、レアから与えられた生と義務に感謝して、レアの教えに深く従います。レアに対するイザヤの感情は単なる信仰を超え、狂信に近いと言えます。

イザヤは自身の神であり、母であるレアが望んでいる循環を誰よりも深く理解しています。そしてその循環を真理として、原動力として行動しています。
そのため、イザヤのストーリーは全体的にレアに対する忠誠心を見せる内容になっており、今後公開される最終章では、レアの聖女として、ルアの聖者である「ルシアス」と対極的な立場から対峙する姿をお見せする予定です。
今後公開されるイザヤのストーリーと、最終章を楽しみにしていてください。

ありがとうございます。

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